小説、夜間飛行にある「彼らの欲望」とは、具体的に何を意味しているのか?
問.『彼らの欲望』とは具体的に何を意味しているのか?
彼らの欲望が、彼らを取り巻く巨大な夜の中を、どこまでも遠く届くものか知らずにいる。(P20)
答.「彼らの欲望」は、不安な人間の生活から助け出してほしいという思い。
(解説)
「彼らの欲望が、... どこまでも遠く届く」のは、それが「灯」によって遠くからでも見える、感じ取れるからです。つまり、どのような『欲望』かを、「灯」が示しています。
「灯」が、何を表しているかと言うと、その前の文章に「あの灯、あの不安、あれが人間の生活だと知るのだった。」とあります。この文章から、「灯から不安な人間の生活が感じ取れる。」と言い換えられます。
しかし、これだけでは、不安な生活から抜け出したいという答えには至らないのですが、その後に文章に「あたかも彼らが無人島をめぐる海の前にたって、それを絶望的に振っているかのように。」とあり、そこから救い出してほしいと感じ取っている筆者の心情が見えます。
問. 次の文言は何を意味しているのか?
ところがものの姿というものは正直ではないのだ、誰も見ている人がいないと思うときのものの姿は。
たった一人で飛行している際に遭遇する出来事は、周囲に誰かがいて安心できる時とは異なる様に見えてしまうということ。